えみるの赤いランドセル―亡き娘との恩愛の記/風見 しんご

風見しんごさんの愛娘が交通事故で11歳という短い人生


を閉じられた。本書はその恩愛の記。


発売当初に購入し、今までずっと読めずに本棚の目立つ


ところに置いてあった。辛すぎて読める訳がないと思って


いた。


しかし、親友の息子が最近交通事故を起こし(命に別状なし)、


にわかに他人事で済まされない気がしたので、勇気を絞り


一気に読了。




子を持つ親として、辛すぎて涙が止まらない・・・・。



何度も胸が締め付けられる思いがした・・・・。




友人のブログ でも死生観を揺るがすような出来事があり、


大切な人が存在してくれていることに感謝するという話が


あるが、本書を読んでリアリティを持って自分のことのように


感じられた。


妻と息子が元気でいること。

朝元気に「おはよう」と言えること。

毎朝、「愛しているよ」と妻と息子に言えること。

毎日、「パパとママのところに生まれてくれてありがとう」と言えること。

大好きな会社で働けていること。

信頼する仲間と働けること。

信頼するパートナーと働けること。

大切な友人が沢山いること。

美味しいご飯が食べられること。

衣食住に困らず満足した暮らしができること。



あげたらキリがないが、当たり前の幸せを、当たり前に感じられる


こと自体が奇跡であり、心から感謝して生きていかなければ


いけない、と改めて強く思う。



読了後、昼寝から起きた息子を強く強く抱きしめた。


いつもなら直ぐにいやだと言って離れるが、今回はやんごと


なき雰囲気が伝わったのか、10分ほどずっと抱きしめていた。


愛する息子を抱きしめられる幸せを感じながら。



風見しんごさんが、辛さの極みにありながら交通事故を撲滅したいという


思いで執筆して頂いたことに心から感謝し、えみるちゃんのご冥福を


心よりお祈りします。



車を運転する全ての人に読んで欲しいと切に思う。